水素関連の技術開発
長い間、水素利用はコストがかかり過ぎると考えられてきました。しかし、水素協議会(Hydrogen Council)の調査では、水素の生産、流通、アプリケーションの規模拡大により、2030年までに水素バリューチェーンのコストが劇的に改善されることが示されています。カーボンニュートラルモビリティを実現するための有望な手段として、水素アプリケーションに関する議論はますます活発になっていくでしょう。
燃料電池の開発
IAVは、燃料電池の開発にも20年以上携わっています。コンセプトから量産開発まで、セル単体から車両実装まで、またコンポーネント開発等、多くの実績があります。
コラボレーションの事例:
- FCV用のパワートレインレイアウトの最適化
- 燃料電池システムの車両実装
- モデルベースによる燃料電池システムのコンセプト検証
- 燃料電池セルの劣化予測モデル
- モベルベースを活用した燃料電池コンポーネントの加速負荷試験
- OBDも見据えた燃料電池システムの感度・ロバスト性解析
- 電動コンプレッサーのコスト低減コンセプト
- 燃料電池用の革新的なエア供給システム
- 水素貯蔵システム、コンポーネント開発
- 車両用の高圧ガスタンク、水素吸蔵合金タンクシステムの開発

水素エンジンの開発
IAVは近年、直噴および過給を含めた水素エンジン(水素を燃料とするレシプロエンジン)開発に深く関わっており、この技術に精通しています。水素エンジンの利点と現在の課題を認識しており、量産化に向けての知見もあります。
コラボレーションの事例:
- 研究用単気筒エンジンを用いた革新的な水素燃焼開発
- PFI / SI, LP DI および HP DI / CI (~300 bar)
- 多気筒水素エンジンの試験と適合
- 水素エンジンテストベンチ
- IAV独自の高精度1Dモデルと3D CFDモデル(水素燃焼、NOx、ノッキング等のモデル)
- H2-SCRのモデルガスベンチ試験と触媒モデリング
- 水素エンジンモデルとH2-SCR 、NH3-SCR併用後処理モデルを統合したシミュレーション環境でのシステム最適化(コールド試験含めたNOx低減対応)
- 水素貯蔵システム、コンポーネント開発
- 最大 660 kW / 3500 Nm
- 過渡試験対応
- 排気ガス試験対応、認証対応可能
水素インフラ関連
スマート水電解装置
- IAVは、低コスト、高効率でロバスト性が高いモジュラー型の水電解装置を開発しました。 プロトタイプは、ハノーバーメッセとウィーンモーターシンポジウムで発表され、 著名なパートナー企業において、水素生産が既に始まっています。
水素サプライチェーン
- 技術面・経済面からの解析、独自の最適化ツールを用いたコスト最小のサプライチェーンの設計とコンサルティング
リアルタイムのエネルギーマネージメント制御
- 物理モデルを用いたシミュレーションによりエネルギーフローを最適化、ロバストな制御構築
